タンパク質の機能
タンパク質の持つ役割や機能について、もう少し詳しくみてみましょう。
ヒトの体内で一番多いものは水分で、約60%を占めると言われます。タンパク質は水分の次に多く、約20%を占め、細胞の乾燥重量では、約60%を占めるとされています。また、ヒトの細胞には1万に達する種類のタンパク質が存在すると考えられています。こうして数字で示されますと、生物の身体にとってタンパク質は大変重要であるという話も、よりわかりやくなりますね。
生体内での、タンパク質の役割や機能は多種多様に及びます。主なものをあげてみましょう。
◆触媒として
化学反応を起こさせる触媒として働く成分を酵素といい、そのほとんどがタンパク質を主体としています。
酵素は、細胞の物質代謝、エネルギー代謝などには不可欠な存在です。また、酵素は特定の物質の反応にだけ作用する特異性をもっていますので、その種類は非常に多くなります。
◆抗体として
抗原に反応することで、免疫として重要な働きをします。
◆情報伝達として
生理機能の調節などの、生体内の情報のやり取りに大きく関わっています。
◆貯蔵用として
特定の機能を持たない貯蔵用としてのタンパク質もあります。
◆生体構造を形成する
よく耳にするものではコラーゲンやケラチンなどがあり、また、筋肉を構成するアクチンやミオシンなどもあります。
私たちが日常使う「プロテイン」という言葉の意味としては、「生体構造を形成するタンパク質」が一番近いのではないでしょうか。栄養として、タンパク質=プロテインと考える場合もあてはまると思います。